私は副業を持っています

お客様 私はもっとも偉大な支配人です


お客様の為ならなんでも致します
ですので 私は
お客様の頬を殴る事も
性器を犯す事も
財布から金を抜く事も
出来るのです


お客様
もっと私に殴られたいと望んで下さい
あなたは今まで多くの支配人に殴られ犯され散財させられて生きてきました
映画や文学で観た自己の理想像 恋人 ワークアウト 建前の学業/学習/職業訓練
(あなたに家族は居ません)
ですが私こそがもっとも偉大です
それはお客様の偉大さです
あなたは偉大です
数多く殴られたあなたは偉大です
もっと望んで下さい


お客様
私は副業を持っています
浅瀬に沈んだ小石も動かす事無く緩やかに流れる川の上に掛かる橋から
かつては戦国時代の武将の城があったという山々の間に
百円硬貨の様に大きい夕日が沈む一瞬
カレーや焼いた秋刀魚の匂い漂う夕焼けから
遊び帰りの子供達が居なくなる夜に変る間を観察すること
それが私の副業です
それこそが私の本来の仕事でした


お客様 もっと私に殴られたいと望んで下さい