All That Fake/オールザットフェイク まとめのページ(目次)

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All That Fake/オールザットフェイク
目次




このページは当ブログに置いて連載している小説、
All That Fake(オールザットフェイク)の目次のページです。
第1話から最新話まで、ここからお好きな話を開く事が出来ます。


数字と各話のタイトルをクリックしていただけると、
そのページが開きます。





話数.その話のタイトル(和訳)



1.I Can’t Give You Anything but Love
(愛(だけ)ならば沢山送る事が出来るよ)



2.I Got Rhythm
(リズムがある/音楽がある)



3.Softly As In A Morning Sunrise
(朝日の様に爽やかに)



4.Moment’s Notice
(さっさっとやってしまおうよ)



5.52nd Street Theme〜All The Things You Are
(52丁目のテーマ〜あなたの全てがわたしの物になる時/あなたと居る事がわたしの全てになる時)









上記の物は簡易版の目次です。
ここから以降はお目当ての各話をそれぞれ開く事はもちろん、
各話の見出し(最初の数行)と各話のタイトルの由来と成った曲、
そしてお話中に登場した曲のyoutubeへのリンクを合わせて掲載しています。
(各話のタイトルは実在するジャズの曲名でもあります)
小説と曲、合わせてお楽しみ頂けたら幸いです。





1.I Can’t Give You Anything but Love
(愛(だけ)ならば沢山送る事が出来るよ)
 
  この世は嘘に塗れている、と宣う奴を、
  セルマーのテナーサックスでベルがへこむまで……、
  そいつの頭が確実にベルの形にへこむまで殴り続けてやる。



I Can’t Give You Anything but Love/ディーン・マーティン
 


ほぼ同名のスタイリスティックスによる曲

can't give you anything but my love(愛こそ全て)/ザ・スタイリスティックス
 


受信したメールに記載されているセットリストの曲名は、
後の話に出てくるので省略。






2.I Got Rhythm
(リズムがある/音楽がある)

  モノレールを待つ。
  旅行への行き--空港へのモノレールを待つ時は良かったな。
  旅に行く胸の高まりはもちろん、
  駅の3階にある、風の動きが感じられるホームがよかった。
  だが今は帰りだ。このホームでは風の動きを感じられない。
  ただのビルの中だ。



I Got Rhythm/エセル・ウォーターズ


電話の相手が答えた映画「アメリカの夜」の主題曲

Grand Choral/ジョルジュ・ドルリュー






3.Softly As In A Morning Sunrise
(朝日の様に爽やかに)

 目が覚める--窓から指す日光が顔の左半分を照らす。
 まどろみ、まどろみ、まどろみ、上半身を起す。
 ジーンズを穿きっぱなしで寝てしまったのか?--
 朝のジーンズは下腹部が痛い。
 フロントのボタンを2,3個外す。
 頭が痛い--時差ぼけか?
 普段の寝起きのダルさとは違う倦怠感が体にのしかかる。
 アメリカとパリの時差は何時間あるのだろうか?
 パリに行ったマイスルやバド・パウエルも時差ぼけを起したのかと考える。
 マスターベーションをする気力も起こらない。



Softly As In A Morning Sunrise/モダンジャズカルテット


パリに行ったマイスル

Miles Davis Quintet in Paris 1949

バド・パウエル

Jor-Du/バド・パウエルIn Paris'(1963)


ジャック・ドゥミ監督【シュプールの雨傘】のラストシーン

Ending of "Les Parapluies de Cherbourg"


ハービー・ハンコックの【ザ・ニュー・スタンダード】を取り出す(中略)アルバム1曲目の「ニューヨーク・ミニット

New York Minute/ハービー・ハンコックカルテット


アルバート・アイラーの【スピリッツ・リジョイス】がすでに入っていた。

Spirits Rejoice/アルバート・アイラー


飲む--良い香り--バッハはコーヒ好きだった、カンタータまで作曲している。

Coffee Cantata(BWV211)/ヨハン・セバスティアン・バッハ


ベネゼエラのホセ・マンソ・ペローニが作曲し、
甥のウーゴ・ブランコが演奏して大ヒットしたコーヒールンバは今ではスタンダードナンバーだ。

MOLIENDO CAFE/ウーゴ・ブランコ


「コーヒスプーンで人生を測った。
 何もかも全て知ってしまった。黄昏の事も、朝旦の事も、午後の事も」
これはT・S・エリオットが書いた、
激情ではなく退屈さに苦しめられる男の詩だ。

T・S・エリオット本人によるアルフレッド・プルーフロックの恋歌の朗読


CDケースからソウライブの【ターン・イット・アウト】を取り出し
トレイに乗せる(中略)
再生ボタン--1曲目のステッピン。オルガンの小気味良い音が耳に響く。

steppin'/ソウライブ


バルトーク作曲のオペラ【青ひげ公の城】に替わり

Bluebeard's Castle/バルトーク・ベーラ

スイート・ジャズ・トリオの【ライブ】が次いだ

Soultrane /スイート・ジャズ・トリオ

現在はプロコフィエフピアノ曲集【束の間の幻影】

VISIONS FUGITIVES /セルゲイ・プロコフィエフ


「イッツ ショータイム!!」(中略)
ロイ・シャイダー主演の映画「オール・ザット・ジャズ」からの引用。

ALL THAT JAZZ. Show time

ジョン・ボイド主演の映画「真夜中のカーボーイ」からの引用

EVERYBODY'S TALKIN/真夜中のカーボーイ

「やぁ、僕の名前は……」「アルフィー!」--車の中から女の声。
男が微笑む「アルフィ−だ」--
マイケル・ケイン主演の映画「アルフィー」からの引用。

Alfie opening

「俺は食い物の金は払ってんだ!チップなんか払わねーぞ!」
「我がまま言うんじゃない、お前はピンクだ!」
「ピンクだけは嫌だぞ!」--ハーヴェイ・カイテル主演の映画
「レザボア・ドックス」からの引用。

Reservoir Dogs opening


チャーリー・パーカーの【ジャズ・アット・マッセイ・ホール】を乗せる。
開閉ボタン--再生ボタン--1曲目のソルトピーナッツが流れる。

Salt peanuts/ザ・カルテット ジャズ・アット・マッセイ・ホール


リー・モーガンの【ザ・ランプローラー】に替える。
ドンッ--フロアタム。リー・モーガンのトランペットと
ジョー・ヘンダーソンのテナーサックスがメロディーを奏でる。

The Rumproller/リー・モーガン


ブレット・イーストン・エリス
ルールズ・オブ・アトラクション】を取り出す。

The Rules of Attraction/映画版のトレイラー

手に取った一瞬、アメリカン・サイコにしようか

american psycho/映画版のトレイラー






4.Moment’s Notice
(さっさっとやってしまおうよ)

  鎮痛剤は決して神ではない。
  アスピリンは、ロキソニンは俺達の前に鎮座する新しい神ではない。
  彼らは救いをもたらさない。
  現に今の俺は、鎮痛剤の1つである
  アルコールに苦しめられている--昨日は飲み過ぎた覚えはないのだが。
  きっと疲れが抜け切っていないのだろう--つまりは二日酔い。



Moment's Notice/ジョン・コルトレーン


「ああ、映画の『ユージュアル・サスペクツ』ではさ……」
「カイザーソゼ!」
「ヤァ!」

The Usual Suspects - Trailer


「『ゴッドファーザー』では……」
「そうなんだよ!流石柏木!」--大げさな手振りとウィンク

The Godfather - Opening Scene






5.52nd Street Theme〜All The Things You Are
(52丁目のテーマ〜あなたの全てがわたしの物になる時/あなたと居る事がわたしの全てになる時)

  音楽家にとっての勝利とは何か?
  俺はそれを考えた事があるし、一定の答えも出ている。
  これは勝利の期間を如何するかで答えが代わる問題だ。
  Q.100年--A.100年先も聴かれる音楽を残す事
  Q.50年--A.50年先でも誰かに鼻歌を歌われる音楽を作る事
  Q.30年--A.30年先の生活を保障してくれる音楽を書く事
  Q10年--A.10年後にも金になる音楽を発表する事
  Q.1年--A.少しばかり有名になる事
  Q.1ヶ月--A.満足のいく演奏をする事
  Q.1日--A.



All The Things You Are〜52nd Street Theme/ザ・カルテット ジャズ・アット・マッセイ・ホール


元木はソファーでギターをつま弾いている--曲は
ジョー・パス風に編曲された「オルフェネグロ」だ。

Manh〓 da Carnaval(orfeu negro)/バーデン・パウエル


横田明紀男風の「マイルストーン」に変る--ああ、この曲はやっぱりいいな。
Milestones/マイルス・デイヴィス


客席を見る。
一曲目--All The Things You Are(中略)
All--The--Things--You--Are。
C--D--E--F--G--A--B--C。
それらの狭間にある音も含めて、
12のコードを奏でて繋げて。

All The Things You Are/ソニー・ロリンズ&コールマン・ホーキンス


続けざまに次の曲--Solarを演奏する。
テーマ--ソロ--テーマ--終わる--拍手。

Solar/マイルス・デイヴィス


ネフェルティティという曲だ。あの男が書いた。知ってるか?
そういってテオは持っているパーカー製の万年筆で
サックスを吹いている男を指した。マリガンはああ、知っていると答えた。
万年筆の先に居るのはウェイン・ショーターだ、

Nefertiti/マイルス・デイヴィス


1、2、3、4--you don't know what love is。
コルトーレンが残した演奏よりテンポ早く、毒の含んだアレンジを加えてある。
題名を日本語に直したら、あなたは愛が何かを知らない、となるだろうか。

you don't know what love is/ジョン・コルトーレン


そして次の曲--'S Wonderful。
頭の'SはIt'sの省略型。
It's Wonderful--素晴らしい事--恋と愛の喜びの音楽。

'S Wonderful/ヘレン・メリル










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